ドヤ街余生日記

定職を辞めた後、ドヤ街の安宿を使った旅で自分探しをする男の記録。

続・東京のドヤ街・山谷を歩く

先日行ったドヤ街でおなじみの山谷に再び行く機会があった。

 (前回)東京のドヤ街・山谷を歩く
  http://doya-gai.blog.jp/blog-entry-393.html

前回は「孤独のグルメ」「あしたのジョー」など関連でいろは会商店街を見て回ったが、今回は裏通りを少し歩いてみた。

●まりや食堂
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商店街と並行にのびる北側の裏通り(セブンイレブンの近くの角を入った所)にある。

「のり弁当 130円」「カレーライスとからあげ 300円」「さかな弁当 300~390円」など気になるメニューが多数並ぶが、この時は開いてなかった。
(看板の下に「PM 4:40~6:20」とある。夕食用?)

ただ、看板のそばの建物を見ると、そこには十字架が。
「山谷兄弟の家伝道所」とあり、どうやらキリスト教の教会らしい。
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さすがにこうなると、「入るにはひるむなあ、この雰囲気…」である。
(大阪西成でも、新今宮駅近くに教会らしき建物があったのを思い出す)

●簡易宿所
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商店街の北側の裏通りにも多数のドヤ(簡易宿所)が並ぶ。
「旅館 越後屋」「ニューホテル たから」など、名前からして風情がにじみでているたたずまいである。

そのうちの一軒の入口がこちら。
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昔ながらの民家の玄関風の入口に「空き室あります」。
横の壁にも「空室」の貼り紙が。

しかし、真ん中あたりの「暖房中」の札はちょっと待ってくれという感じだった。
(「冷暖房完備」と言いたかったのだろうけど、まさか、この暑い中で暖房中なのかと思ってしまう)

あいりん地区改善計画/「西成ゆるキャラ」使った観光マップ

大阪府・大阪市などが共同で西成あいりん地区の環境整備計画を発表したらしい。

 「あいりん5ヵ年計画」
 http://news.goo.ne.jp/article/abc/region/abc-20140404006.html

あいりん地区では不法投棄や薬物取引が問題となっている他、来年度に小中一貫校の開校を控えていることもあり、大阪市は通学路の環境を改善したいとのこと。

「悪いイメージだったあのエリアを大阪の中心としてふさわしいエリアに変える」という狙いもあるようだが、その一環なのか、先日西成地区の宿に泊まった時、「西成観光マップ」なるものが配布されていた。

それがこちら。
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「西成へいらっしゃーい!」とあるが、やはり最近襲名されて名前の変わった関西の某有名落語家を意識したのだろうか。
(と思ったら、公式サイトにも出ていた)

 西成へいらっしゃーい! - 西成ええとこ!
 http://nishinari-pr.com/guide/

マップに描かれたのは「西成ゆるキャラ」の「にしなりくん」だそうだ。

 (昨年のゆるキャラグランプリにも出場)にしなりくん
 http://www.yurugp.jp/entry_detail.php?id=670

正式名称は「スーパーポンポコジャガピーにしなりくん」。
名前の由来は「あたまの形が「じゃがいも」に似ている」「尻尾や全体のイメージが「狸」っぽい」「マントをまとった姿からスーパーマン風」だからとのこと。
(だが、西成に「じゃがいも」や「狸」は関係あるのかと…あと、最後の「ピー」は一体?)

地図には西成(新今宮駅~玉出駅周辺)の史跡や名店などが説明されている。
(有名な「飛田新地」は地名は出ていないが、西成地区の一部として地図には含まれていた)


地図にあった史跡の1つ、新今宮駅から近い「近松門左衛門碑・猫塚」に行ってみた。

場所は阪堺線・今池駅の近く。
新今宮駅前の交差点から大通り沿いを南下。
(途中にあった「ナンキンムシ駆除」の宣伝看板。この地で見ると不思議なリアリティを感じる)
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猫塚のある裏通りへの曲がり角近くには、スーパー玉出と銭湯が並んでいた。
両方とも、簡易宿所の並ぶこの界隈では役立つ店である。
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裏通りをさらに奥へ曲がる。
迷いそうになる住宅街の裏路地に、猫塚のある小さな神社があった。
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賽銭泥棒を防ぐためか、賽銭箱が厚い板で覆われているのが印象的だった。
(お金を入れる口は貯金箱のように狭い)
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道が入り組んでいて迷いそうな場所で、正直、朝じゃなければ行く気にはならなかっただろう。
(地図は英語の説明も添えられているが、外国人観光客が不用意に歩いて、道に迷うなんてことにならなければいいのだが…)

現代ホームレス事情―大阪西成・あいりん地区に暮らす人々を見つめて

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東京のドヤ街・山谷を歩く

ドヤ街といえば大阪・西成だが、それに対抗できる東京のドヤ街といえば山谷。
というわけで今回は、山谷界隈を散歩した時の写真をあげてみる。
(最寄り駅はJR/東京メトロの南千住駅)

●1泊2200円の簡易宿所
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駅前から5分ほどのところに並ぶ簡易宿所。
東京駅まで20分位の好アクセスでこのお値段と、安さを求める方には魅力的な宿が多く並ぶ。

看板の「UHF/VHFテレビ付・冷暖房完備」など、これがウリだった頃の昔を思わせる。
裏通りの宿所もさらっと見たが、大体1泊2000円前後が相場っぽい模様。
(もうちょっと奥まで行けば安い所もあるのかもしれないが、怖いので今回はパス)

●いろは会商店街
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駅前通りを歩き、派出所のある角を曲がったところにある商店街。
「孤独のグルメ」の漫画の1話にも登場している。
(五郎が雨宿りしようと走りこんで、座り込んでる人々の視線を浴びる1コマ)

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また、この周辺は「あしたのジョーのふるさと」として登場キャラの垂れ幕が飾られていたり、立て看板が随所にある。
(垂れ幕が半分ずり落ちているのが、逆に場末っぽいリアリティがあって良い)

●商店街内部・リヤカーが並ぶ
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布団などが積まれたリヤカーなど、いかにも定住者がいるっぽい商店街内部。
平日の昼間のせいか、シャッターの下りた店が多かった。
(両脇の「あしたのジョー」キャラの垂れ幕だけが目新しく、浮いてる感じも)

ちなみに写真を撮影していたら、地元の方っぽい散歩していた老人に
「夜の方がいいよ。寝る人が集まってくるから」
と話しかけられ、正直焦った。

派手にあちこちを撮影するなど、あまり目だった動きはしない方がいいかもしれない。
(表向きは「あしたのジョー」ファンという感じで行動していた)

●赤線・吉原
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商店街を抜け、その先の路地をさらに進むと、「プリマドンナ」「アイドル」などそれっぽいお店・看板の並ぶ一角に出る。

公園にあった案内板を見ると、この周辺がかつて「政府公認の遊郭」と言われていた「赤線」のあった吉原地区らしい。
(初期の「こち亀」でよく名前は聞いていたが、ここにあったとはちょっと驚き)

●野宿者の集まる公園、そしてスカイツリー
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いろは会商店街と反対側を歩くと、ブルーシートやゴミ袋が溜まった公園があった。
園内のベンチや木陰には野宿しているような人々が集まっていて、気楽には入りづらい雰囲気。

そして公園の向こうには、きれいに聳えるスカイツリーが見え、その対比に物悲しさを感じた。


なお、ネット予約可能なこの界隈のホテルを探すと、安い宿はダブルベッドの相部屋とか、個室は1泊3000円前後からだったりと、西成と違ってあまり安い宿はネットに出てない模様。
(2泊で4000円弱とか、そこそこ安いところもある。泪橋交差点そばのホテル)

西成ドヤ街・ネット予約1泊1000円の宿

大阪西成のドヤ街のホテル(という名の簡易宿泊所)には、楽天トラベルやじゃらんで予約できる宿もある。
(安く旅行したい方、ポイントを消化したい時には助かる)

今回はその中で、1泊1000円という最も安い宿を紹介。
(誕生日割引で1泊500円というホテルも近くにあるが、ここはいつでも1泊1000円)

場所はJR大阪環状線・新今宮駅から歩いて数分。

 ホテルダイヤモンド 地図・アクセス

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冷蔵庫・冷暖房・大浴場の有無で料金が変わるという、所持金に合わせて選べる親切設計。


1泊1000円の部屋が並ぶフロアにつくと、床面の剥がれた廊下に隙間なくずらっと並ぶドア。
(ネットカフェのブースに近い)
1部屋あたり、ほぼドアの幅しかないが、この幅でも物置やロッカーではなくあくまで「客室」。

ドアを開けると、そこには1.5畳の部屋が。
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ほぼ布団を敷くスペースだけ。
もちろん冷蔵庫・冷暖房はなく、室内でも寝る前までジャンパーを着てないと寒い。
棚の上のン十年ものっぽい小さなブラウン管テレビが色あせた映像を流していた。
(隣室に響かないよう、イヤホン必須)

布団に寝転んで天井を見上げると、こんな感じ。
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部屋の幅といい、小さな換気口といい、トイレの個室っぽい雰囲気も。

予約する時は「寝るだけと割り切れば大丈夫」と覚悟していたものの、両手すら満足に広げられない狭さは想像以上の圧迫感があり、満足に眠れず。

結局翌朝は、朝6時頃に逃げるように部屋を出た。
(自分が神経質なだけかもしれない。カプセルホテルに慣れてる方なら問題ないかも)

※再挑戦して泊まった時の記録はこちら。
 安宿旅行記・大阪・西成「ホテルダイヤモンド」(1泊900円~)
 http://yasuitabi.blog.jp/archives/1021775634.html


廊下にあった貼り紙。
この界隈のホテルでよく見かける生活相談の斡旋の案内。
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憲法の言う「健康で文化的な最低限度の生活」を垣間見た気がする。
(むしろ、住居費をそれ以下の水準に切り詰めてでも、他の何かにお金を回したい人向け?
 その用途が仕送りか、貯金か、酒か、パチンコかはともかく)

ちなみにもう300~500円出せば、この付近には3畳ほどの広さでそこそこ建物もきれいなホテルが結構あるので、この手の部屋に慣れてない方はまずはそちらに泊まることを推奨したい。
(以下リンクや、以下記事のホテルはその一例)

 大阪・ドヤ街の宿より狭い「脱法ハウス」/もっと安い宿は?
 http://doya-gai.blog.jp/blog-entry-254.html

名古屋駅の西口方面にもこういった宿は多くネット予約できる宿も結構あるので、安く旅行を楽しみたい方は探してみてもいいかもしれない。

 (参考記事)安宿旅行記・名古屋「ニュー松竹梅ホテル」(1泊2550円~)
 http://yasuitabi.blog.jp/archives/1065327727.html

 



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